今回は、切手を売りたい方へ、弊社の切手の買取相場や、額面以上の価値が付くプレミア切手をご紹介します。ただし、プレミア切手とはいうものの、年々価値は下がりつつありますので、お持ちの方はお早めに売却されることをお勧めします。
基本的には、プレミア切手と呼ばれるものは昭和30年より前に発行された切手を指します。それ以降に発行された切手に関しては、額面のレート(%)計算でのお買取りとなります。
※尚査定につきまして、手数料は発生致しませんのでご安心ください。
まず、切手の状態が一枚ずつ分かれた単片の状態なのか、それともシートのまま綴られているのかによって買取のレートは異なります。
バラ切手の買取率
普通切手・記念切手問わず、額面によって、買取の率が異なります。
切手シートの買取率
バラ切手同様普通切手・記念切手問わず、額面によって、買取の率が異なります。
※シール状のもの、20世紀デザイン切手シートは額面の50%でのお買取りとなります。
プレミア切手
ここから、額面以上の価値がつくプレミア切手をいくつかご紹介します。まず、切手は普通切手、記念切手の2種類に分類されます。
【記念・特殊切手】
記念切手は国家的な行事または特定の人物や団体の業績などを記念して発行されるもので、ほとんどが発行枚数や発行期間が限定されています。代表的なものに、「国際文通週間シリーズ」の見返り美人・月に雁などがあります。以下、プレミアがつく記念切手をご紹介していきます。但、切手は状態によって、買取額が大きく異なります。裏糊がないもの、破れ、汚れがあるもの、ヤケているものは減額対象となりますで、ご留意ください。
儀式のかんむり
こちらの切手は、のちの昭和天皇(裕仁様)が立太子の礼を受けたことを記念して発行された記念切手です。1916年、発行されたこちらの切手ですが、他に1銭5厘、3銭の額面も発行されています。中でもこの10銭は発行枚数が極めて少なく、稀少性が高くなっています。
飛行試行
1919年(大正8年)10月3日に発行された記念切手です。国内で初となる、飛行便の試験飛行実施を記念して発行されました。「飛行試験切手」とも呼ばれており、国内初の航空切手として高く評価されています。但、偽物が多く出回っておりますので、専門家にみてもらうようにしてください。
昭和ご婚儀(不発行)
昭和天皇の御婚儀を記念したこちらの切手ですが、大正12年11月発行予定のところ、同年発生した関東大震災によりほとんどが消失してしまいました。現存のものは、南洋諸島(写真はパラオ)で発売するために震災前に発送していたものが、回収されたものとなります。そのため大変稀少な切手となります。
逓信記念日(小型シート)
1934年(昭和9年)4月20日に発行された記念切手です。 1871年日本で郵便制度が発足されましたが、その配達方法は飛脚(人間が走ってものを届ける)という非常に古典的で労力がかかるものでした。1934年、ようやく郵便制度が刷新され、郵便物がスムーズに届けられるようになりました。この切手は、それを記念したものとなります。日本で初めて4種1組の「小型切手シート」で販売された貴重な切手であり、また販売場所が限定的だったことから非常に価値の高いプレミア切手として扱われています。
切手趣味週間(見返り美人・月に雁)
切手趣味週間とは、切手収集の趣味の普及を図るため、昭和22(1947)年に当時の逓信省が設定したものです。この年以降、切手週間を記念した記念切手が毎年発行されていくことなりますが、その第二弾が「見返り美人」、翌年第三弾が「月に雁」となります。ちょうど切手収集ブーム全盛期だったこともあり、今なお人気が高い切手となります。
国際文通週間(蒲原)
国際文通週間は日本郵便友の会が主催し、毎年10月6日~12日と定められ、国際文通週間にちなむ郵便切手を発行しています。最初の頃は、歌川広重の東海道五十三次がデザインされています。
写真の「蒲原」は、豪雪に見舞われた静岡県の蒲原宿の様子を描いた切手です。
1960年に発行され、1958年~1959年に発行された「京師」と「桑名」よりも発行枚数が少なかったため、コレクター需要が非常に高いです。バラ切手はプレミアがつきません。
岡山・松山・高松博覧会記念
「地方博覧会」は三重、高松、岡山、松山、それぞれで行われました。高松市で行われた「観光高松大博覧会」は1949年3月に開催。このとき、切手の発行は予定されていなかったのですが、同時期に岡山で開催された「岡山産業文化大博覧会」で記念切手が発行されると知った地方逓信局が急ぎ高松博、ならびに松山博の記念切手の発行を働きかけます。
しかし逓信省への申請が急だったこと、高松と松山、また先に申請を行っていた岡山博が同じ瀬戸内海地域であるという理由から、この3か所の博覧会記念切手は同じデザインの『舞子の浜』を流用することになりました。岡山は紅色、松山は赤色、高松は赤紫色となります。いずれもシートであれば買取金額が高くなります。
犬山こども博(小型シート)
1949年の5月5日のこども博を記念として発行された記念切手となります。急遽発行が決まったこともあり、小型シートは発行枚数10万枚と非常に限られたものとなりました。その為稀少性が高くなります。バラ切手はプレミアはつきません。
切手趣味週間(ビードロを吹く娘・写楽)
切手趣味週間シリーズの一つとして発行されたこの切手ですが、当時の収集ブームもあり爆発的な人気で、1万円を超える額が付いたともいわれます。ただし、現在の価値は下落傾向で、状態がいいビードロシートであれば1000~1500円程の買取額となります。バラ切手はプレミアはつきません。
第五回国体記念
国体切手は第2回大会が開催された1947年から現在に至るまで発行されていますが、中でも価値が高いのは初期の第2回から第5回までの切手です。最も高い価値を持つのが、1950年に愛知県を中心に開催された第5回大会を記念して発行された切手です。「吊り輪」「棒高跳び」「サッカー」「馬術」という4種類があり、4枚1組の田型連刷版が発行されたほか、20枚の切手シートもあります。 記念品として保有するのではなく郵便切手として積極的に利用されたというケースが多く、未使用品の現存数が少ないことがプレミア価値の理由として挙げられます。
観光地百選(日本平)
1951年と1953年に発行された計20種の特殊切手が観光地百選切手になります。この切手には新聞社が主催して選定された部門毎(山岳、平野等)の人気観光地1位がデザインされています。中でも最大の人気は写真の日本平24円切手になります。この24円切手ですが、シートで綺麗な状態であればなんと10万円を超える買取額となります!
文化人シリーズ
主に明治から昭和にかけて日本の文化・芸術や学問に深く寄与した人物たちの肖像画や肖像写真をデザインした特殊切手であり、第1次文化人切手は1949~1952年、第2次文化人切手は1992~2004年というふうに2期に分けて発行されています。
中でも、最も稀少価値が高いのが西周(写真)となります。シートであれば3~4万円の買取額となります。西周の切手が少なかった理由は1952年に切手の価格変更が行われたためです。この切手が発行された年、料金は8円から10円に値上がりました。しかし値上がりはしたものの、普通切手の販売が追い付かなかったため、発行数の多い文化人切手が代用されたそうです。そのため未使用のものは現存少なく、稀少性が高くなっています。
※尚、第一弾として発行されたのは野口英世となりますが、これは実は2回に分けて発行されています。微妙なデザインの違いになりますが、第二弾であれば、高額買取が期待できます。
年賀切手
始めて発行された年賀切手は1935年(昭和10年)の12月1日、翌年用の年賀切手が初めて発行され日本の象徴でもある富士山がデザインされた切手でした。(写真)こちらも稀少価値は高く、その他昭和12年~27年頃の切手シートは高額買取対象となります。バラ切手やそれ以降の年賀切手はプレミアがつきません。
航空切手
航空切手は文字通り、航空便様に特別に発行された切手となります。昭和4年、国内および日韓間の航空郵便用として発行されたのが始まりで、一次中断されたものの戦後復活、1961年以降は発行されなくなりました。種類によって高額買取可能なものもありますので、是非一度お持ちいただければと思います。
【普通切手】
普通切手(通常切手)は、発行時における郵便体系のどれかの料金にあわせて発行され、製造数や販売期間はきまっていません。最初の普通切手は、「手彫切手」とよばれる、一面一面手彫りの銅版刷りでした。
竜切手
竜切手とは、我が国最初の切手である「文」単位の竜文切手と、翌年引き続き発行された「銭」単位の竜銭切手に分かれます。用紙は三椏紙を原料とする薄い和紙となります。いずれも稀少性は高く、使用済みであっても買取対象となります。
桜切手
1872年から、竜切手に代わって新しい図案の切手が次々と発行されました。こちらの切手は四隅に桜の花が配されていることから桜切手と呼ばれます。額面や色によって細かく分類され、買取額も異なります。例えば、「和紙のカナ無し政府印刷30銭」の切手は非常にレアで、使用済みでも数十万円程度の価値はあるでしょう。このように使用済みであっても買取対象となるものもございます。ただし、模造品も多く存在しますので、是非一度お尋ねください。
小判切手
1876年、日本における初めての凸版切手として誕生したのがこの小判切手です。小判切手はつくられた時代により旧小判・新小判とに分かれ、さらに額面によっても買取額は大きく異なります。全種すべて揃っていると買取額も高額になります。
産業図案切手
戦後の混乱もようやく落ち着き、切手の図案を同一にした新しい切手が誕生しました。それが、産業図案切手です。農業や工業など、戦後の復興を支えた各種産業に従事する労働者の絵が描かれているのが特徴です。中でも、価値が高いのが「製鋼」「SL製造」となります。
昭和すかしなし切手(中宮寺)
産業図案切手の後に刷られたのが、昭和すかしなし切手です。産業図案切手と同デザインの切手もいくつか存在しますが、名の通りすかしがないのが特徴です。写真の中宮寺菩薩像の小型シートは人気が高く高額買取となります。
第一次円単位切手(八つ橋の蒔絵)
1951年、郵便料金の改訂により基本料金が80銭から1円に変わりました。それにより新しい切手が刷られました。中でも、最高額面500円の「八つ橋の蒔絵」は額面以上のプレミアがつきますし、この切手がはられたFDCカバー(封筒類)も買取対象となります。
台湾数字切手
第二次世界大戦時に台湾で僅かな期間発行されていた切手です。切手の在庫が無くなった際には現地の印刷会社にて発行出来るようにと作られた切手で、全9種類が考案されていました。そのうち実際に発行された台湾地方切手は3銭、5銭、10銭切手で、3種が揃っていれば1万円前後までの買取価格も期待できます。
琉球加刷切手
戦後、1972年まで沖縄は米軍の統治下にありましたが、その頃発行された切手となります。
この切手は、日本・琉球間で航空小包の取り扱いが開始され、それにともない高額切手が不足されました。しかし、正刷切手では間に合わないことがわかったため、既にある切手の上から額面を変えて、発行されたものとなります。暫定的なものでしたので、数は多くなく稀少性が高くなります。
切手帳
旅行者の携帯用や事務用として何枚かの續いた切手を綴じて表紙をつけたものとなります。1906年より発行され、古いものほど現存が難しく稀少価値が高くなります。
軍事切手
日本国内の郵便で一般的に利用される切手とは異なり、戦地に赴く兵士が故郷の家族や友人とやりとりする「軍事郵便」で使用されていました。軍事切手は、歴史的価値や希少性が高く根強い人気を集めています。特に、1921年に発行された青島軍事切手は、他の軍事切手と比べて、現存数が少なく高額で取引されています。
朝鮮字入り
戦前戦中、朝鮮と中国の領土に明治9年、日本の郵便局を開設、切手は本土と共有していましたが、明治33年より、切手の印刷下部にそれぞれの地名を加刷し、使用したものとなります。額面により買取額は異なりますが、高額買取になるものもあります。但、あとからわざと加刷した贋物も多くありますので、必ず専門家にみてもらうようにしてください。
以上の切手が高額査定対象となります。状態によって買取額も大きく異なりますが、使用済みでも買取できるものもございますので一度お問い合わせいただければと思います。また、プレミア切手には、勿論偽物も多く存在しますので専門家に真贋判断をしてもらうにして下さい。
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