弊社が高額(額面以上)で買取できる切手は、およそ1955年(昭和30年)がひとつの区切りとなります。昭和31年〜現在までに発行された切手は、シートやバラ、形状にもよりますがおよそ額面の50〜60%が買取相場になっています。
なぜ昭和30年で区切られるのかというと、『切手収集ブーム』があったからです。刷ればするほど売れるので、発行枚数がどんどん増えました。そのため昭和31年から現在までの記念切手は市場に溢れかえっているので、価値としてはありません。
一方で明治・大正・昭和30年まではそういう切手収集のブームがなく、日本はまだ貧しい時代でした。実際に貼って使う通信用に刷っていたので、発行枚数が多くありませんし、残存している枚数も少くなります。そのため、これらはプレミア切手と呼ばれるものになり、現存枚数も少なくマニアに人気のある切手は高価査定になるのです。もちろん、保存状態(コンディション)によって査定額は大きく異なります。
今日は大正時代に発行された切手の中でも最高価値、「儀式のかんむり」を紹介します。
昭和天皇が皇太子になったとき、一銭五厘、三銭、十銭の三種類の切手が発行されました。このうち十銭(写真)はわずか8万6千枚(通常1200万枚ほどの発行)しか発売予定でなかったため、何時間も前から大勢の人が郵便局につめかけ、午前零時の販売と同時に売り切れたそうです。そのため、この日のうちに10倍に跳ね上がり、現在もなお最高峰の価値を持つ切手です。
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