大正6年に我が国では貨幣のデザインを初めて一般から公募して、入選した図案で新銀貨発行に着手した。この図案は表中央に50銭の文字と左右に鳳凰を配し、裏面中央の日章の真中に八咫烏を入れた画期的なもので、大正天皇の御即位の大礼を記念して採用されたといわれている。
第一次世界大戦の影響で銀の価格が上昇したため、それまで使われていた「旭日50銭銀貨」から量目の減少・形態の縮小をした50銭、20銭、10銭銀貨を製造したが、銀価格の騰貴が予想より激しかったため、50銭、10銭の二種は日本銀行に持ち込まれたもののすべて鋳潰されて、一般には流通しない幻の銀貨となった。銀貨の流通枚数が大変不足してきたので大正6年に政府はその穴埋めに50銭、20銭、10銭小型政府紙幣を発行した。
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