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「幻の10円玉」 未発行の十円洋銀貨

最終更新: 8月28日

朝鮮動乱のため、ニッケル相場騰貴不発行になった硬貨。製造期間は昭和25・26年のみ。


昭和25年(1950)3月、現行の五円硬貨五十円硬貨と同じく中央に穴が空けられている10円硬貨が制定された。この素材となったのが、銅にニッケルおよび亜鉛を配合した「洋銀」とよばれる合金である。

洋銀は銀ではないが銀色を呈しており、銀の代用として装飾品や食器などに使われるものであり、貨幣の素材としては世界でもあまり例のないもので、本邦でも初めての試みであった。図案は表面茶の花の枝を向かい合わせたもの、裏面は鉄線模様という、今までにまったく例をみない題材のものであった。

ところが発行を前にしてこの年の6月に勃発した朝鮮戦争のため、諸地金とくにニッケルの地金が急騰し、発行できなくなってしまった。本貨は昭和25年、26年両記年のものがあり、製造が翌年まで続けられたのであるが、結局は発行されずに終わった。

そのため、資料用として残された分以外は全て溶解処分されたことで、非常に希少性の高いコインとなっている。

ちなみに、昭和24年4月制定の「当用漢字字体表」により「國」字は「国」字とすべきであったが、原型が早くも出来上がっていたために、旧字体に依って造られている。

直径 20㎜

品位 ニッケル160-180/銅550-600/亜鉛220-290

量目 2.79g



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